No. 法令条文
1 (趣旨)
第一条 
この省令は、金属製避難はしご(以下「避難はしご」という。)の技術上の規格を定めるものとする。
2 (定義)
第二条 
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 避難はしご 固定はしご、立てかけはしご及びつり下げはしごをいう。
二 固定はしご 常時使用可能の状態で防火対象物に固定されて使用されるもの(収納式のもの(横桟を縦棒内に収納しておき、使用の際、これを取り出して使用可能の状態にすることができるものをいう。以下同じ。)及びその下部を折りたたむこと又は伸縮させることができる構造のものを含む。)をいう。
三 立てかけはしご 防火対象物に立てかけて使用されるものをいう。
四 つり下げはしご 防火対象物につり下げて使用されるものをいう。
五 ハッチ用つり下げはしご つり下げはしごのうち、避難器具用ハッチ(金属製避難はしごを常時使用可能の状態で格納することのできるハッチ式の取付け具をいう。)に格納されているもの(使用の際、防火対象物に突子が接触しない構造のものに限る。)をいう。
3 (構造)
第三条 
避難はしごは、安全、確実、かつ容易に使用される構造のものでなければならない。
2 避難はしごは、縦棒(つり下げはしごにあつては、これに相当するワイヤロープ、チエーンその他金属製の棒又は板をいう。以下同じ。)及び横桟で構成されるものとする。
3 避難はしごのうち、縦棒の数が一本であるものにあつては、次の各号に適合するものでなければならない。
一 縦棒が当該はしごの中心軸となるように横桟を取り付け、横桟の先端に、縦棒の軸と平行に長さ五センチメートル以上の横滑りを防止する突子を設けてあること。
二 横桟の長さは、縦棒から横桟の先端までの長さの内法寸法で十五センチメートル以上二十五センチメートル以下とし、縦棒の幅は、横桟の軸方向について十センチメートル以下であること。
4 避難はしごのうち、縦棒の数が二本以上であるものの縦棒の間隔は、内法寸法で三十センチメートル以上五十センチメートル以下でなければならない。
5 避難はしごの横桟は、直径十四ミリメートル以上三十五ミリメートル以下の円形の断面を有するもの又はこれと同等の握り太さの他の形状の断面を有するものでなければならない。
6 避難はしごの横桟は、縦棒に同一間隔に取り付けられたものであり、かつ、当該間隔は、二十五センチメートル以上三十五センチメートル以下でなければならない。
7 避難はしごの横桟の踏面は、滑り止めの措置を講じたものでなければならない。
4 第四条 
前条に定めるもののほか、固定はしごのうち、収納式のもの又はその下部を折りたたむこと若しくは伸縮させることができる構造のものにあつては、次の各号に適合するものでなければならない。
一 震動その他の衝撃で止め金の部分が容易にはずれないように保安装置を設けてあること。
二 前号の保安装置に至る動作を除き、二動作以内で当該はしごを使用可能の状態にすることができること。
5 第五条 
第三条に定めるもののほか、立てかけはしごは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 上部支持点(先端から六十センチメートル以内の任意の箇所とする。)に、滑り及び転倒を防止するための安全装置を設けてあること。
二 下部支持点には、滑り止めを設けてあること。
三 伸縮させることができる構造のものは、使用の際、自動的に作動する縮てい防止装置を設けてあること。
四 折りたたむことができる構造のものは、使用の際、自動的に作動する折りたたみ防止装置を設けてあること。
6 第六条 
第三条に定めるもののほか、つり下げはしごは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 使用の際、防火対象物から十センチメートル以上の距離を保有するための有効な突子を横桟の位置ごとに設けてあること。ただし、当該突子を設けなくても、使用の際、防火対象物から十センチメートル以上の距離を保有することができるものについては、この限りでない。
二 縦棒の先端には、丸かん、フツクその他のつり下げ金具をつけてあること。
三 つり下げ金具は、容易にはずれない構造のものとすること。
7 (材料)
第七条 
避難はしごの部品で次の各号の表の上欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ当該下欄に掲げるもの又はこれと同等以上の強度及び耐久性を有するものであり、かつ、耐食性を有しない材質のものにあつては、耐食加工を施したものでなければならない。
一 固定はしご及び立てかけはしごに用いる材料
部品名 材料
縦棒
横桟
補強材
支え材
JIS(工業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第十七条第一項の日本工業規格をいう。以下同じ。) G 三一〇一(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 三四四四(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS H 四一〇〇(アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材)
てい防止装置
折りたたみ防止装置
JIS G 三一〇四(リベツト用丸鋼)
JIS G 三二〇一(炭素鋼鍜鋼品)
JIS G 五七〇五(可鍛鋳鉄品)
フツク JIS G 三一〇一(一般構造用圧延鋼材)
滑車 JIS G 五一〇一(炭素鋼鋳鋼品)
JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物)
ボルト類 JIS G 三一二三(磨き棒鋼)
ピン類 JIS G 三一〇四(リベツト用丸鋼)
JIS H 四〇四〇(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
二 つり下げはしごに用いる材料
部品名 材料
縦棒
突子
JIS F 三三〇三(フラッシュバット溶接アンカーチエーン)
JIS G 三一〇一(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 三五三五(航空機用ワイヤロープ)
JIS H 四〇〇〇(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
横桟 JIS G 三一〇一(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 三一二三(磨き棒鋼)
JIS G 三一四一(冷間圧延鋼板及び鋼帯)
JIS G 三四四四(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS H 四〇〇〇(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
つり下げ金具 JIS G 三一〇一(一般構造用圧延鋼材)
ボルト類 JIS G 三一二三(磨き棒鋼)
ピン類 JIS G 三一〇四(リベツト用丸鋼)
JIS H 四〇四〇(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
8 (強度試験)
第八条 
避難はしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、次の表に定める静荷重を加える試験において、永久ひずみを生じないものでなければならない。
部品名 静荷重
縦棒 最上部の横桟から最下部の横桟までの部分について二メートル又はその端数ごとに、縦棒一本につき五百ニュートン(縦棒にワイヤロープ又はチエーンを用いるものにあつては七百五十ニュートン、縦棒を三本以上とするものにあつてはその内側に設けられた縦棒の一本について、縦棒を一本とするものにあつてはその縦棒について、それぞれ千ニュートン)の圧縮荷重(下部を折りたたむこと又は伸縮させることができる構造の固定はしご(使用の際、縦棒に引張り力が加わる部分に限る。)及びつり下げはしごにあつては、引張荷重)
横桟 横桟の一本につき中央七センチメートルの部分に千ニュートンの等分布荷重
2 避難はしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、前項の表に定める静荷重の二倍の静荷重を加える試験において、裂、破損等を生じないものでなければならない。
3 固定はしごで収納式のものは、一方の縦棒を固定し、横桟を水平に取り出した状態で、縦棒及び横桟のいずれにも直角となる方向に二百二十ニュートンの静荷重を固定されていない縦棒の上端部、中央部及び下端部にそれぞれ加える試験において、当該はしごに、永久ひずみ裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
4 立てかけはしごは、水平にして両端部を適当な架台で支え、同時に縦棒の方向についてその中央部及びその左右二メートルごとの箇所に、それぞれ六百五十ニュートンの静荷重を垂直に加える試験において、当該はしごに、永久ひずみ裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
5 ハッチ用つり下げはしごは、次の各号に掲げる試験に適合するものでなければならない。
一 ハッチ用つり下げはしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、別図に示す試験器具を使用して第一項で定める静荷重を加える試験において、永久ひずみを生じないこと。
二 ハッチ用つり下げはしごの縦棒及び横桟は、前号の規定の例により、第一項で定める静荷重の二倍の静荷重を加える試験において、裂、破損等を生じないこと。
6 縦棒及び横桟の取付箇所は、前各項に定める試験において、永久ひずみ裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
9 (繰り返し試験等)
第九条 
避難はしごは、百回の展開及び収納の操作を繰り返す試験において、著しい変形、裂又は破損を生じないものでなければならない。
2 つり下げはしごのつり下げ金具は、その一個につき、当該はしごを伸ばした縦棒の方向に、当該はしごの最上部の横桟から最下部の横桟までの部分について二メートル又はその端数ごとに千五百ニュートンの引張荷重を加える試験において、著しい変形、裂又は破損を生じないものでなければならない。
3 つり下げはしごの突子は、一本の横桟に取り付けられた突子について、縦棒及び横桟に対し同時に直角となる方向に百五十ニュートンの圧縮荷重を加える試験において、著しい変形、裂又は破損を生じないものでなければならない。
4 避難はしごの横桟は、二十三ニュートンメートルのトルクを用いる試験において、回転し、又は著しい変形、裂又は破損を生じないものでなければならない。
5 ハッチ用つり下げはしごは、別図に示す試験器具を使用して、荷重取付位置から千ニュートンの静荷重を加える試験において、上部横桟取付部から下部横桟取付部までの水平距離が〇・四メートル以下でなければならない。
10 (腐食試験)
第十条 
避難はしごは、JIS Z 二三七一(塩水噴霧試験方法)に定める試験方法により塩水を八時間噴霧した後に十六時間放置することを五回繰り返した後、水洗いをして二十四時間自然乾燥させた場合、機能又は構造に異常が生じるおそれのある腐食を生じないものでなければならない。
11 (表示)
第十一条 
避難はしごには、次の各号に掲げる事項を、その見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
一 種別
二 区分
三 製造者名又は商標
四 製造年月
五 製造番号
六 長さ
七 立てかけはしご又はつり下げはしごにあつては、自重
八 型式番号
九 ハッチ用つり下げはしごにあつては、「ハッチ用」という文字
12 (基準の特例)
第十二条 
新たな技術開発に係る避難はしごについて、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
13 附 則
この省令は、昭和四十年六月一日から施行する。
14 附 則 (昭和五〇年七月二八日自治省令第一一号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に日本消防検定協会の行う消防用機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際現に型式承認を受けている金属製避難はしごに係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、昭和五十二年三月三十一日までの間に限り、なおその効力を有する。
15 附 則 (昭和六二年三月一八日自治省令第七号)
この省令は、公布の日から施行する。
16 附 則 (平成九年四月二四日自治省令第二七号)
(施行期日)
1 この省令は、平成九年五月一日から施行する。ただし、第八条第一項及び第三項並びに第九条第二項、第三項及び第四項の改正規定は、平成十一年十月一日から施行する。
(経過措置)
2 平成九年五月一日において、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、改正後の金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令(以下「新省令」という。)第二条第二号、第三条、第四条並びに第五条第三号及び第四号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 平成九年五月一日において、現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、新省令の規格による型式承認とみなす。
4 平成十一年十月一日において、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、新省令第八条第一項及び第三項並びに第九条第二項、第三項及び第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 平成十一年十月一日において、現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、新省令の規格による型式承認とみなす。
17 附 則 (平成一二年九月一四日自治省令第四四号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
18 附 則 (平成一八年三月九日総務省令第二六号)
1 この省令は、平成十八年十月一日から施行する。
2 この省令の施行の際現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、改正後の金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
19 別図 試験器具
(第8条、第9条関係)